福祉施設介護員の労働時間の問題について

特別養護老人ホームや介護老人保健施設で働く福祉施設介護員にとって、労働環境における最も大きな問題は、労働時間の問題だ。食事やトイレの介助など利用者の世話はもちろんの事、施設内の掃除や家族の世話、電話対応など、福祉施設介護員はとにかく仕事が多く、時間に追われ休憩が取りづらい。休憩に入る時間になっても目の前の利用者のそばからなかなか離れられないといった状況が起き、日常的な業務が勤務時間内にこなせず時間外労働になってしまうのだ。

また、時間外労働も上限があるため申告せずにサービス残業にしてしまうのである。さらに、施設自体の経営難からスタッフ数をぎりぎりの人数におさえている施設も少なくなく、有給などの休みも取りづらい状況となっているのだ。労働時間が長くなってくると介護員のメンタル面への影響が及び、うつ病などメンタル面に影響を及ぼす確率が高くその結果優秀な介護員を休職や離職に追い込んでしまう。

こういった問題を打破するにはやはり、労働時間の把握と管理が必要になってくる。職員にはきちんと休憩や休暇を取らせなくてはならないのだ。なおかつ、遅刻や残業の多い介護員は指導をしていかねばならない。適正な労働時間で仕事をしてもらう事は、単に労働基準法を守るという意味だけでなく、健全な労働環境を提供するという意味で、職場の雰囲気を良くすることに繋がる。職場の雰囲気が良ければ、離職も減り、良い人材が集まるだろう。そして、良い人材が集まれば、職場の活性化に繋がるのではないだろうか。