業界の長時間労働を改善する方法

福祉業界の大きな課題として長時間労働の改善が挙げられることが増えてきた。これまでは福祉の仕事は人と人との心の通い合いや自己犠牲の精神などで何とかやってきたが、現在の長時間労働は深刻である。福祉業界で働く人たちは、出勤して定時で帰れることは少ない。何故定時で帰れないのだろうか?これには福祉業界の人手不足が原因となっていることが多い。

例えば、福祉の仕事は力仕事が多く、認知症の高齢者をお風呂に入れたり、障害を持つ人をベッドに運んだりすることを毎日行わなければならない。自分よりも身体の大きな人を抱えることもあるため身体を壊しやすいのだ。身体を壊してしまえば仕事を辞めざるをえない。他にも、排泄処理や食事介助などでも個人個人の臨機応変な対応が必要なため、体力だけでなく気配りも必要で心身共に疲れて介護現場を離れていく人が多いのだ。これらの事から、残った人が必然的に働く量が多くなり長時間労働になってしまっているのである。

長時間労働の改善のためには介護に従事する人の技術の向上に努めていく必要があるのだ。例を挙げると、身体の構造を知り、負担をなるべく少なくした移乗方法や食事介助の仕方などを専門家から学ぶことなどがある。これにより、従事者個人の技術が向上すれば福祉業界の離職率が下がり人手不足を解消することができるため、長時間労働の減少に繋がるだろう。もちろん技術を学ぶ勉強会の費用は福祉業界から出すことが望ましい。今後、超高齢化社会が進む中で福祉は大切な分野である。何とか今の状態を改善していかなくてはならないだろう。